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社労士コラム

労働者と労災保険、社長と特別加入

2019年8月30日 社会保険労務士 原田聡

労災保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して、必要な保険給付が行われ、保険給付には、業務災害、通勤災害に関する保険給付と二次健康診断等給付があります。

 労災保険に対象となるのは、まず「労働者」であることです。会社勤めのサラリーマンは当然に労災保険の対象となりますが、同じように活動していても「労働者」と認められず、労災保険の保険給付が受けれない場合も考えられます。
 例えば、「お坊さん」。お寺との関係がどうであるかによって、労働者かどうか判断が分かれます。「会社の社長」は、労災保険の対象が「労働者」であることから労災保険の適用はありません。工務店からの仕事をこなす大工も判断が難しいところです。工務店の指揮監督下で労務を提供しその対価として報酬をもらっていたのかや大工に事業者性があるのかなどいろいろな角度から検討することになります。

 労災保険には、労働者以外でも労災保険に任意で加入できる制度があり、これを「特別加入制度」といいます。特別加入できる方の範囲は、①中小事業主等 ②一人親方(個人貨物運送業者、個人タクシー業者、大工等) ③特定作業従事者④海外派遣者 で、一定の要件の下、特別加入することができます。

 業務災害によってかかる治療費や休んでいる間の給料、体に障害が残ってしまった場合の補償等労災保険は、労働者にとって大きな味方です。労災保険の適用があるのかないのかわからない方や特別加入を検討されたい方、その他労災保険についてお悩みのある方、一度ご相談ください。